古物台帳とは
古物台帳とは
古物台帳とは古物取引の記録をしておく帳簿のことです。この記録は法律で定められています。
古物商は、売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(以下「帳簿等」という。)に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。ただし、前条第二項各号に掲げる場合及び当該記載又は記録の必要のないものとして国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合は、この限りでない。
古物営業法第16条
一、取引の年月日
二、古物の品目及び数量
三、古物の特徴
四、相手方(国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した相手方を除く。)の住所、氏名、職業及び年齢
五、前条第一項の規定によりとつた措置の区分(同項第一号及び第四号に掲げる措置にあつては、その区分及び方法)
記録が必要な場合
- 売買
- 交換
- 売買又は交換の委託
によって古物を受け取り・又は引き渡したときに記録が必要とあります。
記録が不要な場合
第16条のただし書きには、記録が不要な場合が列挙されていいます。詳しくは以下の3つです。
- 対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合
- 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合
- 当該記載又は記録の必要のないものとして国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合
1. 対価の総額が一万円未満である取引をする場合
前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、同項に規定する措置をとることを要しない。
古物営業法第15条2項
一、対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合(特に前項に規定する措置をとる必要があるものとして国家公安委員会規則で定める古物に係る取引をする場合を除く。)
二、自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合
対価の総額とは古物単品の取引価格ではなく、全ての取引総額のことです。そしてその総額は古物営業法施行規則に以下の通り規定されています。
(確認等の義務を免除する古物等)
古物営業法施行規則第16条1項
第十六条法第十五条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める金額は、一万円とする。
※対価の総額が一万円未満でも記録が必要な場合
ただし一部の古物は一万円未満でも記録が必要となります。その条文は古物営業法施行規則第16条2項にあります。
(確認等の義務を免除する古物等)
2、法第十五条第二項第一号の国家公安委員会規則で定める古物は、次の各号に該当する古物とする。
古物営業法施行規則第16条2項
一、自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品(ねじ、ボルト、ナット、コードその他の汎用性の部分品を除く。)を含む。)
二、専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
三、光学的方法により音又は影像を記録した物
四、書籍
2. 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合
そもそも古物営業法では「 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける 」のみであれば、古物営業に該当しません。なぜなら盗品である可能性がそもそもないからです。よって記録も不要となります。
3. 当該記載又は記録の必要のないものとして国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した場合
古物営業法は盗品等の売買の防止・速やかな発見等を目的としています。そして盗品として特に目を光らせておくべきモノが定められており、それ以外の古物は記載・記録が不要とされています。以下の品目以外は記録が不要です。
- 美術品
- 時計・宝飾品類
- 自動車(部分品含む)
- 自動二輪車・原動付自転車(部分品含む)
古物台帳の書き方
帳簿等の保存期間
古物商又は古物市場主は、前二条の帳簿等を最終の記載をした日から三年間営業所若しくは古物市場に備え付け、又は前二条の電磁的方法による記録を当該記録をした日から三年間営業所若しくは古物市場において直ちに書面に表示することができるようにして保存しておかなければならない。
古物営業法第18条
2、古物商又は古物市場主は、前二条の帳簿等又は電磁的方法による記録をき損し、若しくは亡失し、又はこれらが滅失したときは、直ちに営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長に届け出なければならない。
古物営業法では帳簿等を3年間保存しておかなければなりません。記録を亡失等した場合は、所轄警察署長に届け出が必要となります。
罰則
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
古物営業法第33条
一、第十八条第一項の規定に違反した者
二、第十六条又は第十七条の規定に違反して必要な記載若しくは電磁的方法による記録をせず、又は虚偽の記載若しくは電磁的方法による記録をした者
三、第十八条第二項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者
※一部割愛
古物台帳の記載に関する罰則としては第33条に記載の通り、以下の場合に6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。
- 第16条(古物商の帳簿義務)
- 第17条(古物市場主の帳簿義務)
- 第18条1項(帳簿の3年間保存義務)
- 第18条2項(滅失等した場合に諸葛警察署長に届け出)
古物台帳をもとに警察は盗品の速やかな発見を目指しています。そういった意味でも古物台帳は古物営業法の考え方そのものであるといっても過言ではありません。